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2017/05/01

東北の復興を見届ける旅 その1 マイナスをプラスに

早朝、八戸港にフェリーは着いた。
今日から東北の旅を開始する。

八戸から海岸沿いに南下して、最終的な目的地は陸前高田の予定だ。
途中、いろいろ寄り道したいところはあったんだけど、なにしろ時間が早過ぎて、ほとんどの観光施設はまだ開いていない。しょうがないので、素直に国道を南下する。
20170501_001最初に訪れたのは、宮古市の田老地区だ。ここは国内でも最大規模の立派な防潮堤があったにも関わらず、結局、津波を防ぐことは出来なかった。町は壊滅的被害を受け、多くの人が亡くなった。
そのなかに、2階まで破壊されながらなんとか流されずに残った「たろう観光ホテル」がある。ここはいまや数少ない震災遺構の一つとなっている。実際の建物を見ると、津波の破壊力の凄まじさに身震いがした。
役立たずだった防潮堤をさぞかし恨めしく思っているだろうと俺は勝手に想像していた。しかし、説明をしてくれた震災ガイドさんの言葉は違い、「それでも私達は堤防を造る」と言う。堤防では完全には津波を防げないかもしれないが、堤防があったおかげで、海にさらわれた人数が少なかったのだという。堤防は逃げる時間を少しでも稼ぐのと、遺体を確保するために必要だと。
未だに遺体を探し続けている人々がいる。そのやりきれない想いもわかる。でも、莫大な費用を注ぎ込み、未来の世代に借金を作ってまで造り上げた防潮堤が、ただ遺体を流されないためだなんて。悲しすぎるよ。
20170501_002さらに南下して、浄土ヶ浜へ。ここは有名な景勝地だ。震災遺構ばかりじゃ気が滅入っちゃうし。
夏には海水浴場として使われるとは信じられないぐらい、海が綺麗だった。ああ、こんな海で泳ぎたいよう。
残念なことに次第に空が曇って来た。どこか寂しい感じに見えてしまい、遊覧船に載る予定だったのに躊躇してしまった。どうせ乗るなら、青空の下で乗りたいし。
20170501_003そこで予定を変更して、浄土ヶ浜の遊歩道をハイキング。ちょっとした丘の頂上には10品種以上の桜が植えられていて、まるで見本林のよう。北海道に帰ったころには、桜も見頃を過ぎてしまっているかもしれないので、ここで桜を満喫しておこう。
桜と言えば、津波の到達点に沿って桜を植えるというプロジェクトがあるそうだ。防災のためでもあり、震災の風化防止のためでもあるという。でもそれって桜に別の意味を持たせてしまうってことだよな。桜を見る度に震災を思い出す、それってとっても残酷なことじゃないだろうか。
マイナスからプラスを生み出すには、強いこころの力が必要で、それは誰にでも出来ることではないのだから。

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コメント

震災地の旅、満喫しているようですね〜
二階まで被害があった旅館?凄い!凄すぎる!
まさか、営業はしていませんよね?

海が綺麗なところ、私も大好きです。
でも、その海が脅威になった。やりきれない気持ちが、高まりますよね。

防潮堤が遺体を流されないようにするためだとは、初めて知りました。
これも切ない。
桜を植えるプロジェクトもしかり。
マイナスのイメージを払拭する力が、植えられる桜たちに漲る事を祈ります。

投稿: みぃや | 2017/05/02 13:16

〉みぃやさん

正確に言うと、2階までは柱しか残らず、3階は破壊され、4階も一部被害あり、だそうです。周りの建物は全部流されてしまい、このホテルだけがポツンと建っていました。凄まじいですねー。
もちろん営業はしていません。震災遺構として、市がまるごと買い取っています。
こんな海の近くに長年住んでいたのだから、海が好きだったんでしょうね。悲しいです。

投稿: どげざ(管理人) | 2017/05/02 17:46

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