帰省して2日目。
以前から一度は富山の海で潜ってみたいと思っていたけど、ようやくその機会が来た。
あらかじめダイビング器材一式を送っておいたので、準備は万全だ。
今回ガイドしてもらうダイビング・ショップは、滑川を中心に潜っているらしい。実家のこんな近くでダイビングができるポイントがあったなんて、全然知らなかった。もっとも、俺がダイビングを始めたのは北海道に行ってからだから、いままでは単に見過ごしていただけかもしれない。
富山の海は、残念ながらあまり透明度は高くない。富山湾は山から海までの距離が短く、ミネラル分がたっぷり補給されるため、プランクトンが大量に発生する。栄養が豊富な海は透明度が低く、実はダイビングには不向きなのだ。
ガイドは梅宮辰夫をマッチョにして、こてこての富山弁にしたようなおじさんだった。
このショップの特徴は、ナイトダイビングが通常メニューとして存在していること。この時期は時に忙しく、昼間に3本、夜に3本、潜ったりする事もざらだという。いったい、いつ寝てるんですかと聞いたら、だから寝てる暇が無いんだよとあっさり言う。見た目通りパワフルな人だ。
滑川の道の駅の裏側、港近くの海岸から海に入った。
やはり透明度は低く、5mぐらいしかなさそうだ。
でも、そのぶん魚は多い。イシダイ、スズメダイ、ベラ、サヨリなどがうじゃうじゃ群れていた。スズメダイは北海道ではこんなに群れるさまは見られないし、イシダイはずっと後を付いてきて隙あらば目の前に飛び出してくる。ダイバーにとってはもう少し透明度が欲しい所だけど、魚にとってはここは楽園みたいだ。
もう一本はナイトダイビングだ。海岸で夜が更けて来るのを待った。
富山でナイトダイビングが盛んなのは理由がある。富山湾は、高山から深海まで一気に落ち込むような地形をしているのでとても深い。夜になると普段深海で過ごしている魚たちが浅い場所まで上がって来る。だから、よそではまず見られないレアな魚がいたりするのだ。
暗い海の中をライトの明かりだけを頼りに泳ぐ。もともと透明度が高く無いうえに、水底には泥が積もっているので、いったん巻き上げてしまうと何も見えなくなってしまう。
20m以上潜った先で、今回の目玉だったアマダイを発見。大きな眼に美しい鱗やひれ。体長は60cmぐらいありそうだ。それほど警戒心が無いらしく、かなり近づいても逃げなかった。
他にはオニカナガシラやウシノシタなどが見られた。
こんなに魚の種類も数も豊富なのに、ダイビングスポットとしてはほとんど無名に近いのがもったいない。
また違う季節にも潜ってみたくなった。
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